白内障の手術の前後について、知っておいていただきたいこと👀
皆さま、こんにちは!
本日で6月も終わりですね☔️
7月からは猛暑が襲うといいますので、皆さまも適宜水分をとられたり、涼しい時間帯に外出するなど、お気をつけくださいませ☀️
さて、この院長ブログを読んでくださっている患者さまより、白内障の手術前後の流れをブログに出してみては?とアドバイスをいただきましたので、今回、少々立ち入ったお話をしてまいります。
当院では、白内障の手術設備が無いため、白内障手術希望の方、あるいは白内障が進行し、もう手術を受けなければならないと判断した方には、近隣の総合病院、あるいは白内障の手術が可能なクリニック等にご紹介しております。
ここで、皆さまの中には、「白内障の手術は簡単だというから、申し込めばすぐ治療してもらえるだろう」と思い込まれる患者さまが時々いらっしゃるのですが、全くそんなことはございません。
白内障の手術は、よほどの緊急時でない限りは、申し込んでからだいたい3-4カ月待ちになります。
人気のある病院・クリニックですと、実際の手術までなんと半年待ちということもあります。
白内障の手術を希望された方には、まず、どこの医療施設で執刀を受けたいか、時にはご家族さまも交えて相談し、決まりましたら、当院より紹介状を発行いたします。
その後、患者さま方には、紹介先に予約などしてから受診していただきます。
紹介先でも改めて、検査員さんによる眼の精密検査・身体状態の検査などがあり、オペレーターの先生などに、眼の診察をしていただいた上で、手術日程が決められます。
医療施設によっても異なりますが、片眼を手術して、数週間してから、もう片眼の手術となるケースが多い様です。
また、片眼だけ視力が悪いという患者さまには、まず片眼だけ手術をし、もう片眼は手術せずに様子をみる、ということも少なくありません。
では、実際の手術前後の流れをご説明したいと思います(医療施設ごとに多少異なる点もございますことをご了承ください)。
手術の3日前から、術眼に抗生剤の目薬を点眼します。
手術時には、抗生剤を点滴される場合が多いです。
手術自体は、患者さまの眼の状態によりますが、特別なことがない場合は、5-15分で終わるケースが多いです。
もちろん、手術開始前に点眼麻酔をされますが、白目(いわゆる結膜)・あるいは黒目(いわゆる角膜)に麻酔を追加される場合もあります。
白内障の手術では、患者さまが痛みを感じて怖くならないように、様々な工夫がなされています。
術後は、抗生剤の点眼または眼軟膏を眼に入れた後、眼帯をされます(多くの場合、手術の次の日には眼帯は外されます)。
手術後には、そのまま入院されたり、あるいは日帰り入院で、ご自宅に帰られる方もいらっしゃいます。
入院した場合も日帰り入院の場合も、術後は最短でも2日位は検査・診察を受けなくてはなりません。
手術後には眼を不潔にしないために、また術後の炎症を抑えるため、抗菌点眼、ステロイド点眼、非ステロイド点眼の3種類が処方されます。
術後、最低1カ月間は、点眼治療をしっかりと行わなければならず、また手術後数日から一週間は髪の毛も洗えないため、白内障の手術はどちらかといえば、術後の方が、患者さまにとり、大変な事が多いです。
手術の前には必ず、各医療施設で、今まで述べたような説明が患者さまにはされますが、やはり年配の方が多いためか、術後の目薬を決まった回数通りに点眼していただけなかったり、自己判断で手術後すぐに髪の毛を洗ったり、水道水で洗眼してしまったり、中には手術後3日目でプールで泳いできた、というツワモノの患者さまもいらっしゃいました…。
特に白内障術後の2〜3日間は、細菌感染による眼内炎を引き起こすリスクがあり、重症の場合は緊急で硝子体手術という大掛かりな手術を受けなくてはならないことがあります。
そうならないために、白内障術後は眼と眼の周りは清潔にし、3種類の目薬をしっかり点眼していただかなくてはなりません。
これから白内障手術をお考えの方には是非、以上の内容を知っておいていただきたいです。
おおまかなご説明をさせていただきましたが、もっと詳しく白内障手術に関して聞きたい!という方は、当院受診時にお話しさせていただきますので、ぜひお声掛けくださいませ。
(写真は、細隙灯顕微鏡という、皆さまの眼を診察する機器です。)
院長 松原 倫子